材料信頼性工学研究室 本文へジャンプ
主な研究テーマ

本研究室で,博士課程・修士課程および学部4年生が取り組んでいる主な研究テーマの紹介です.

SiC/SiC複合材料の疲労特性および繊維結合型セラミックスの機械的特性
 M2小溝陽平,B4山根誠
炭化ケイ素を同じ炭化ケイ素系の繊維で強化したSiC/SiC複合材料は,優れた比強度と耐熱性を有しています.SiCマトリックスの形成には,安価で工業的に有望とされるポリマー含浸・焼成法が注目されており,この方法は含浸・焼成回数を変えることでマトリックスの緻密度を変化できます.しかし,このPIP法を用いた材料の疲労特性については不明な点が多いため,基本となる一方向繊維強化複合材料の疲労特性について調査しています.  またセラミックス繊維のみを高温,高圧下で結合した繊維結合型セラミックスは,1400℃まで高い強度と優れた破壊靱性を保持する全く新しいタイプのセラミックス成形体です.この材料の機械的特性について調査しています.
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天然繊維/PP複合材料に及ぼす繰返し引張負荷処理効果
 M2松重健一,B4川本俊幸
 従来使用されてきた、ガラス繊維や炭素繊維と熱硬化性樹脂を複合化させたGFRPやCFRPは機械的特性に優れるものの、廃棄が困難であるという問題点があります。そこで天然繊維や生分解性樹脂、熱可塑性樹脂を用いたグリーンコンポジットと呼ばれるものが注目されていま。一方で、グリーンコンポジットの機械的特性が劣るため、高強度化が望まれています。本研究では、天然繊維/ポリプロピレン複合材料に、繰返し引張負荷処理を施し、複合材料の強度改善を試みています。 イメージ

撚り数を考慮したラミー麻織物を強化材とするサンドイッチ構造体の作製および強度評価
 M2黒瀬 司,B4寺田 和樹
 サンドイッチ構造体とは,主として両表面の2層(以下,表面材と記す)と内部の1層(以下,心材と記す)の計3層から構成される.表面材には軽くて優れた機械的特性を有しているFRPが幅広く用いられている.しかしながら強化材に使用されているガラス繊維や炭素繊維は自然に分解されないため,環境負荷が大きい.このような背景から,本研究では,人工繊維の代替材として,高強度天然繊維の1種であるラミー麻を平織りにしたものを表面材,心材にポリウレタン樹脂を使用したサンドイッチ構造体を作製している.また表面材に使用する平織ラミー麻の負荷方向の諸撚糸のTPI(1inch辺りの撚り数)を変化させサンドイッチ構造体の曲げ特性の調査を行っている. イメージ

多孔質Al2O3セラミックスのSi-Ti-C-O繊維分散による靱性改善
 M1喜多村 竜太, B4林哲也
 一般的なセラミックスは,強度,耐熱性,耐摩耗性に優れる反面,脆性材料として知られている.また,多孔質セラミックスは気孔を含むことにより,曲げ強度,曲げ弾性率が低下することが知られている.そこで,Al2O3セラミックスにSi-Ti-C-O繊維を分散させることで,靱性の改善を図った.なお,繊維体積率および繊維長を変化させその機械的性質の評価を行った.また,複合則を用いて強度および弾性率の推測を行い,また,界面剥離を考慮した繊維応力分布解析を行った. イメージ

亜麻繊維強化グリーンコンポジットの繊維配向分布と力学特性
 M1水江太郎,B4藤井道昭
 環境問題が地球規模で問われる現在,GFRP等の代替材として,環境に負荷を与えない高強度天然繊維を強化材としたグリーンコンポジットが注目を浴びている.しかし,グリーンコンポジットの強化材となる天然繊維は,その初期形態であるスライバーにおいてうねりを有しており(図1),複合化した際にこのうねりが大域的な繊維配向の乱れを起こす(図2).そこで本研究では,亜麻繊維スライバーと生分解性樹脂を複合化し,環境に負荷を与えないグリーンコンポジットを作製するとともに,局所的繊維配向乱れを定量的に明らかにし,配向の乱れがグリーンコンポジットの力学特性に及ぼす影響を調査した.
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竹/PP-GCの機械的特性に及ぼすひずみ速度の影響
M1玉ノ井 翔太,B4稲永 聡太
 近年,FRPの廃棄方法は,大部分が埋め立て処分されており,土壌汚染,処分場不足など,環境に与える負荷が大きい.そのため,FRPの代替材料の開発やリサイクルシステムの確立が早急に求められている.このような背景から天然物由来の材料であるグリーンコンポジットの研究・開発に大きな期待が寄せられている. そこで本研究では,マトリックスに熱可塑性樹脂であるポリプロピレン(以下、PPと記す),強化材に竹繊維を使用した竹粉複合材料の創製を行い,実使用環境を考慮して,ひずみ速度依存性や温度依存性などの機械的特性を調査した. イメージ

平織CFRP積層板の微視的損傷に及ぼすクリンプ相対ずれの影響
 M1関 真利,B4平本裕太
 現在、平織CFRPは建築用補強材から船舶および自動車の部品まで幅広い分野で適用されており、その強度特性の研究の必要性が増している。平織CFRPは積層板として用いられ、その製造過程で各層間にずれが生じることがあり、このずれが積層板の機械的特性に影響を与えることが懸念されている。そこで本研究では、この層間のずれを‘クリンプ相対ずれ’として微視的損傷の観点から、引張強度に与える影響を明らかにすることを目的とする。 イメージ

ナノコンポジットの引張特性に及ぼすナノクレイ分散効果
 M1得能圭祐 B4古谷優太
 本研究ではナノクレイ・エポキシ樹脂複合材料の引張特性に及ぼすナノクレイの分散効果を調査した.従来の研究を参考に,添加量や分散方法などを変更させた様々な試料を作製し,インストロン型オートグラフを用いて引張試験を行った.さらにEPMAを用いた元素分析により,ナノクレイの分散状況の観察を行った.その結果,ナノクレイの凝集体やクラスターが引張特性,特に強度について深く影響を及ぼしていると考えられる. イメージ

ケナフ長繊維の引張特性に及ぼすアルカリ処理効果
 M1 新田悠二
 ケナフ繊維を強化材,ポリ乳酸をマトリックスとするグリーンコンポジットは天然繊維を使った複合材料のうち有望な材料の一つである.天然繊維と樹脂の間で界面特性を改善するために施す処理としてアルカリ処理がある.この処理で天然繊維の機械的性質も変化する.低濃度でアルカリ処理を施したケナフ繊維の機械的特性は調査が進んでいるものの,高濃度で処理したケナフ繊維の機械的特性についてはあまり調査されていない. そこで,本研究では高濃度アルカリ処理を施したケナフ繊維の引張試験を行った.
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Influence of fiber length on the mechanical properties of ramie fiber reinforced composite materials
M1キムヒョンボム
 Environmental problems such as CO2 gas emission, rising temperature and extreme weathers are nowadays increasing all over the world. In the field of composite materials, to overcome the environmental problems triggered by using petroleum-based composites, development of natural fiber reinforced composites are being expected, because natural fibers are biodegradable, renewable, and can be used in eco-efficient products. Then, there has been increasing attention to improvement of natural fibers as reinforcement of composites that can be replaced for petroleum-based fibers dominated in various fields so far. In this study, ramie fibers, polypropylene (PP) and maleric anhydride modified polypropylene (MA-PP) were processed into a continuous composite using a single screw extruder and then pelletized for injection mounding.
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撚り縮み比を考慮した撚糸及びグリーンコンポジットの作製と強度評価
M1 吉田 一幾
 近年,バイオマスの有効利用が求められており,全て天然素材からなる複合材料,いわゆるグリーンコンポジットの研究・技術開発が注目されている.天然繊維を強化材とするグリーンコンポジットはすでに実用化されているものの,さらなる高剛性化・高強度化を図るために,短繊維を撚った連続糸状の撚糸を強化材としたグリーンコンポジットの開発が有用とされている.そこで,本研究では天然繊維糸の構造に注目し,撚りによる撚糸の撚り縮み比について調査を行っている.今後自動撚り機で作製した撚糸および手動撚り機を使って作製した撚糸を用いて複合材料を作製し,その機械的特性の調査を予定している.
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円孔を有する一方向CFRPの引張特性の評価
M1今村 剛  B4平川 大祐
 本研究は一方向CFRPの機械的特性に及ぼす円孔の影響を調査する. CFRPの大型構造部材への応用化が進むにつれてCFRPを金属材料と接着する必要が生じ,ボルトやリベット等を用いる機械的継手は円孔部に応力集中が生じ,破壊の原因となる.そこで本研究では,強度の低下を改善するために繊維を切断せず,円孔を迂回して繊維を湾曲させた一方向CFRP板を作製し,強度低下を抑制する方法を提案した.比較のために円孔を設けていない試験片および繊維切断円孔を設けた引張試験片も用意し,両者の引張特性について比較・検討を行った.
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